【私が男女グループで日帰り温泉に行くことに反対する理由】


   以下は、私の友人の男性が、私を含めた共通の友人7人で温泉に行くことを企画し、メンバーの日程が合わず当初予定していた宿泊が厳しくなった際に私が提示した小レポートである。

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【男女グループが日帰りで温泉に行くメリットがない理由】

●そもそも男女グループで温泉に行くとはどういうことか?

   日本の温泉はほとんどの場合男湯と女湯が分かれている。そのため男女で温泉に行った場合、それぞれが温泉の心地よさを感じることはできるが、 同じ空間および時間にそれを共有することは不可能である。


●私が男女で日帰りで温泉に行くことに反対する理由

   以上の条件から、わざわざ男女で温泉に行った際の価値付けは、当然ながら温泉に入っている以外の時間の過ごし方に依存する。具体的には、温泉施設周辺の観光や食事時間などである。しかし、日帰りで温泉に行くならば時間は非常に限られているので、行動の主軸を温泉に置くのは自明であり、思い出作りのためにただでさえ少ない時間の中で温泉の時間を削るのでは本末転倒になる。そして温泉をメインで楽しむと、当然ながら男女で分かれて過ごす時間が増え、あえて一緒に行く意味が見出しにくくなってしまう。

   一方、宿泊を伴う場合を考えてみよう。宿泊すると、当然日帰りよりも時間に余裕があるため、温泉以外に観光はもちろん、部屋での娯楽など充分な思い出作りが可能である。さらに寝食を共にすることで、他者の生活態度を垣間見ることができる。普段遊んでいる姿とは違う様子が、宿泊を伴うイベントで見られるのはよくあることだ。相手のことをより深く理解することができ、その後の交流においても参考になる。

   このように、宿泊で温泉に行くことには多くのメリットがある。一点だけ懸念があるとすれば、男女ということから周囲に配慮することなく褥を共にする不届き者が少なからずいるということである。

   結局私が言いたいことは、「男女が行く日帰り温泉」という行動は、「温泉」と「一緒に出かけたことに伴う思い出作り」の両立が困難で、ある種の矛盾を孕んだ存在だということである。


●代替案

    第一に、温泉という要素を残したままの代替案を提示する。

①行き先をユネッサン(箱根)にする

   ユネッサンは水着着用で楽しむことのできるリゾート施設で、男女が同じ空間で同じ時間を過ごすことができる。

   しかしGWに行くとなると確実に混んでいるので充分に満喫できるかということに関しては懐疑的である。


   次に、温泉以外の代替案を挙げる。


②飲み会(ないしはその他の娯楽)にする

   ここまで書いてきたように、日帰りではわざわざ男女で温泉に行ってもコストパフォーマンスがいいとは言えない。そこで、男女が無条件に楽しむことができると考えられる飲み会、ないしは他の娯楽(カラオケ、行楽地での観光など)行うことを提案する。

   ちなみに、行楽地での観光はGW中ということで非常に混雑している可能性が高い。飲み会やカラオケは事前に予約しておけば比較的GWに伴う混雑とは関係なく楽しむことができると考えられるが、内容の新鮮さに欠けている。


●他人と温泉に入るということ

   余談だが、温泉に入るということは、人前で裸を見せるということでもある。たとえ同性同士でもこれに抵抗がある人はいる。2018年に行われた、全国20~60代の男女1537名を対象としたアンケートで、「友人と温泉に入りたくないか?」という質問に対し、31.9%が「入りたくない」と回答している。      

   この結果からもわかるように、人と温泉に入ることを、相手との関係を問わず忌避する人は一定数いる。これを考慮せず温泉に行ってしまうと、日程の最後まで人と温泉に入ることに抵抗があることを言い出せず、一緒にいながらもグループ内で気持ちに温度差が出てしまう可能性がある。そして最悪の場合、その後の人間関係に悪影響を及ぼす恐れもある。

   このリスクを回避するためにも、代替となる娯楽を複数考える必要がある。

   他人と温泉に入ることの心理的負担に関しては、今回のテーマに据えた「男女で行くこと」とは逸脱しているが、充分な配慮が必要な点と判断し掲載した。


●総括

   私は幼少期より温泉に慣れ親しんできて、個人的にも頻繁に足を運んでいる。この経験から、「温泉は時間をかけてゆっくり堪能するもの」という認識がなされている。そのため、男女でわざわざ日帰りで温泉に行き、温泉以外の思い出作りに時間を費やすのは非生産的であると考えている。今回、温泉を重視しているのであれば、多少日程が合わないメンバーがいても宿泊して温泉を楽しむべきであり、良好な人間関係の構築を目的とするならば他の娯楽を企画するのが無難である。